人事担当者向け「都道府県別最低賃金」一覧表|2026年11月時点

こんにちは、TECH CREWのドリーです。

多店舗運営の企業では、毎年の「最低賃金改定」が現場のオペレーションに大きな影響を与えます。特にパート・アルバイト比率の高い企業ほど、給与テーブルや店舗ごとの時給設定をこまめに見直す必要があります。
しかし、実際には「気づいたら最低賃金を下回っていた」「店舗ごとに賃金差があり、現場が混乱した」というケースも多く、これは法的リスクだけでなく、従業員からの信頼低下にもつながりかねません。

この記事では、2025年11月時点の都道府県別の最低賃金を一覧でまとめつつ、
最低賃金の基本ルール、改定時の注意点、人事担当者が押さえておくべきポイントを整理しました。

「最低賃金は毎年変わる」「都道府県ごとに違う」「特定の業界ではさらに高く設定される」
この3点を前提に、しっかりと給与体系を整備していきましょう。

見えてくる3つの大きな流れ

最低賃金は“1,200円時代”に徐々に突入している

  • 東京:1,226円

  • 神奈川:1,225円

  • 大阪:1,177円

政府は「全国平均1,500円を目指す」方針を示しており、この表を見ても、大都市圏はすでに1,200円超が標準化しつつあります。

以前は「1,000円を超えるかどうか」が話題。
今は「いつ1,300円に達するか」が議論になっている。

特に外食・小売・物流など、パート・アルバイト比率が高い業界では、
賃金が採用力に直結します。


地方でも“最低賃金の底上げ”が加速中

例:

  • 東京 vs 鹿児島 → 差は約200円

  • しかしこの差は、毎年少しずつ縮小

背景には:

背景要因 影響
人口減少 地方でも人材確保が難しい
物流・飲食チェーンの全国化 比較されやすくなった
政府の“全国的な底上げ”政策 地方の上昇スピードが加速

つまり、「地方だから安く雇える」時代は終わりつつあるということです。


最低賃金の上昇は“人件費だけの問題ではない”

多店舗企業にとって影響するのは時給だけではありません。

  • 店長・副店長・社員の給与体系の相対バランス

  • 昇給基準の基盤

  • 評価制度の透明性

  • 中堅層のモチベーション

最低賃金が上がると、
“下に押し上げられて、評価制度全体を作り直す必要が生まれる”
という連鎖が起こります。

現場の時給変更よりも、“階層の給与バランス再設計”が本丸。


今、企業が本当にやるべきこと

1. 県ごとに給与テーブルを切り分ける

特にチェーン企業は必須。

例:
埼玉(1,141円)と茨城(1,074円)で同じ「店長代理」を同じ給与で扱っていませんか?

給与テーブルは「職務 × 地域」で持つのが基本です。

2. 定期昇給制度は“がんばった人が報われる構造”に

最低賃金引上げは、制度が薄い会社ほど内部不満を生む

  • その場しのぎの「一律昇給」
    → 社員のやる気は下がる
    → 離職率が上がる

逆に言うと、評価制度を整理した企業は強くなる時期です。

3. 採用競争は “時給+働きやすさ” で決まる時代へ

最近の採用データを見ると、
応募が増える店は「時給が高い店」ではなく「店長が優しい店」。

Googleクチコミ、Indeedレビュー、SNSリスク管理。
最低賃金よりも職場デザインが差別化になる時代。

つまり

最低賃金はただの数値ではなく、従業員が安心して働けるための「最低限のルール」です。
企業がこの基準を丁寧に扱うことは、コンプライアンスの維持だけでなく、現場の信頼形成や採用力向上にもつながります。

ぜひ、この記事をきっかけに 給与テーブル、就業規則、評価基準 を一度見直してみてください。
私たちTECH CREWでも、店舗や本部の人事担当者が迷わないように、運用整理のお手伝いができますので、気軽にご相談ください。

役に立つ資料:

 


2025年最低賃金についての基礎情報

1. 最低賃金とは?

最低賃金の法律上の位置づけ

最低賃金は「最低賃金法」に基づいて定められており、使用者は最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないという義務を負います。もし最低賃金を下回る賃金で労働者を雇用した場合、その差額を支払わなければならないだけでなく、法的に罰則が科される可能性もあるため、厳守が必要です。

2.最低賃金の種類種類

地域別最低賃金

各都道府県ごとに定められた最低賃金。全ての産業・職種に適用されるのが基本です。

特定最低賃金

地域別最低賃金とは別に、特定の産業にだけ適用される最低賃金で、地域別最低賃金よりも高い金額に設定されています。

同審議会で地域別最低賃金より高い賃金が必要だとみなされた産業に適用されます。

3. 都道府県別の最低賃金

都道府県ごとに異なる

日本では、都道府県単位で最低賃金の水準が異なり、経済・物価の状況によって毎年改定されます。たとえば、首都圏の大都市では他地域に比べて時給が高い傾向にあり、地方ではそれよりもやや低い設定になっている場合が多いです。

賃金改定のタイミング

一般的に、最低賃金は労働政策審議会や地方最低賃金審議会で議論され、夏頃に改定額が公表されます。その後、10月頃に施行となる流れが多いです。そのため、人事担当者は10月頃に最低賃金が変わるという認識を持ち、給与計算ソフトや就業規則を改訂する必要があることを認識しておきましょう。

4. 法的ルールと違反時のリスク

賃金改定後いつ適用すればいいのか

最低賃金が変更された場合、最低賃金が変更された日から改定賃金が適応されます。

つまり、10月1日に最低賃金の変更が発表された場合、10月1日に労働した分から改定賃金が適応されます。

給与の締め日・支払日によって変更前、変更後の賃金計算が必要になるため注意しましょう。

違反するとどうなるか

最低賃金を下回る賃金で労働者を雇用することは違法です。もし違反が発覚した場合、その労働者との契約が向こうになるだけでなく、使用者は差額の支払いに加え、最悪の場合は罰則(最低賃金法違反で50万円以下の罰金など)が科されることがあります。

時給換算時の注意点

最低賃金の計算は、基本的に給与を時給換算して行います。ただし、以下の項目は最低賃金に含まれないので注意してください。

最低賃金に含まれない項目

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  • 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  • 午後10時から翌日午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  • 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

引用元:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金

5. 人事担当者が押さえるべきポイント

就業規則や給与テーブルを見直す

最低賃金が改定されるたびに、基本給や時給が最低賃金を下回っていないかを確認しましょう。

他都道府県との比較

多店舗展開している企業などは、店舗所在地によって最低賃金額が違う点にも配慮が必要です。A県の店舗では時給900円で問題ないが、B県の店舗では最低賃金が950円なので、B県の店舗勤務者だけ時給を変える必要がある…というケースもあり得ます。

産業別最低賃金との比較

自社が特定の産業(例えば自動車整備業や医療関連など)に当てはまる場合、産業別最低賃金が地域別最低賃金より高くなります。

6. 今後の最低賃金の動向

日本政府は、最低賃金を段階的に引き上げる方針を表明しており、今後も賃金のアップが続く可能性が高いと見られています。

海外に目を向けると、ヨーロッパやアメリカでも最低賃金を大幅に引き上げる動きがあり、労働者保護の観点からも今後さらに注目が集まるでしょう。

7. まとめ

最低賃金は、労働者の生活を支える「最低限の保障」として、企業・人事担当者が必ず理解しておくべきテーマです。都道府県ごとに異なる額が設定され、毎年改定されるうえ、産業別の特定最低賃金も存在します。違反すれば法的リスクが発生するだけでなく、企業イメージの低下にもつながる可能性があります。

最低賃金を守ることは、企業のコンプライアンスや社会的信用を維持する上で欠かせません。最新情報を常に把握し、従業員が安心して働ける環境を整えることが、人事担当者の重要な役割と言えるでしょう。